最低気温(℃) 23.8 04:33、最高気温(℃) 33.3 12:41 ●きょうの武田邦彦ブログから;先日の論評掲載文は削除し、この文に差し替えとの意向。思うところありと 今回論評読むと、(更に)同感。無自覚無責任な上級 大人or社会組織の横暴目立つ 責任明確な生産/製造業(1,2次産業)に比べ、サービス産業(3次産業)は意識えー加減過ぎ。説明・言い訳いくらでも屁理屈自作、何なの! 本来の存在有効感・価値感無し、エゴ目立つばかり最近。それさえ気付かない業界、志なんて投げ捨てている。いらん、そんな奴ら、五月蠅いだけ 「毎日新聞の暴力行為」に関する削除と見解(1) 疑問と質問
毎日新聞がSTAP事件に関して執拗に小保方批判を続けていることは多くの人がご存知ですが、先日(2014年7月21日)に全国版1面上部にスペースを4分の1ほどとって、一個人の過去のことに関して個人攻撃の記事を掲載するに至って、先日、とりあえずこのブログでも警告を出しました。それはこのままで放置すると、「善良な一個人」が「社会のある事件」で叩きのめされるという現代の日本にあってはいけないことになってしまう可能性があったからです。
ナチス時代のドイツ。家に突然、憲兵がやってきて家族の一人をしょっ引き、それがもとでその家族は悲惨な生活を強いられるということが、現代の日本で起こっているからです。私が最初の論評を削除したのは、このブログの目的にもあります。
現代の日本社会がひずみを持っていることは多くの人が感じることですが、その一つの原因に私は「合意より反目」の方向に進む傾向があると思っています。そこで、毎日新聞の記事も「まずは相手の立場(毎日新聞の立場)」にたって整理をしてみて、合意が得られなければその時はさらに進展させるという手順が必要と考えたのです。
このSTAP事件は最近の日本社会の価値観、責任感などと比較すると隔絶に違うものでした。その要点をまとめると次のようになります。
一.主として実験をした人が学生や若手の研究者であっても、その人と一緒に教授やそのクラスの指導者が共著者になっている論文については、疑念があったりすると教授などが直接受け答えするのが普通です。私の場合も、学生や若手が研究したものはできるだけその人の功績を前面に出すために論文の筆頭著者は若手にして、私は後ろのほうに名前を出させてもらいます。
このような場合、私が共著者になるのは学問的にも倫理的にも問題はありません。むしろ、私が実験を指示したり、実験内容をともに検討してきた時には、「実施した人(作業した人)」より「頭脳を使った人」を中心にするのが学問の常道だからです。
したがって、今回の場合、小保方さんは無給研究員として今回の論文の主たる部分を実験し、その時には「世界の若山さん」が共同で研究をし、3回目の論文の作成が始まったときには「京都大学教授から理研に転籍した笹井さん」が指導したのですから、マスコミも質問があれば若山さん、笹井さんに質問するのが普通です。
この点は、小保方さんの博士論文でも同じで、博士論文の出来が悪いとか、博士に相当しないなどという疑問があったら、それは指導教授の問題であって、学生が提出した論文の内容が学生の責任になることなどありません。ここでも、指導教授はまったくマスコミに登場せず、メディアもあたかも論文の問題は小保方さんという学生(当時)の問題にしたということは日本社会のこれまでの教育のやり方と全く違います。
毎日新聞は現在でも基本的には小保方さんを攻撃のターゲットにした批判記事を出していますが、この理由は何なのでしょうか? 一つは最初から毎日新聞が間違ったので、それを訂正するのが気が向かないというなら、それはあまり感心した報道姿勢ではありません。
二.次に、今回の論文が社会的に注目されたのは、理研が大々的な記者会見をしたからで、それに無非難に乗ったメディアの責任もありますが、まずは理研の問題です。理研は組織として記者会見をしたのですし、そこには笹井、若山さんが同席して、一緒に説明をした(小保方さんの発表を補充することはあっても、反論などはなかった)のですから、これも普通に考えれば、理研、笹井、若山さんに「なぜ、欠点のある研究発表を自ら積極的にやったのか」が問題になるのも当然です。
また、いわば主犯と思われる理研が、被害者の一人でもある小保方さんに対して「調査委員会」を作り、「2枚の写真の入れ違いと1枚の写真の加工」だけを問題にして調査を打ち切り、その後、「改革委員会」が「世界三大不正」とコメントしたことについての大きな矛盾について、メディアは理研側にたって、調査委員会の結論がでると「小保方さんの不正確定」と完全に理研側に立っていることも不思議なことです。
もともと小保方さんの手元には実験した2枚の写真があったのですし、それに入れ替えても結論が変わらないのですから、ケアレスミスに間違いないのです。さらに調査員会委員長が同じミスで辞任に追い込まれたのに、小保方さんだけを不正としたことについて毎日新聞は追及をしていません。
三.報道は公平を期さなければなりませんし、一個人を批判するときには「自分の情報発信力=毎日新聞の発行部数と専属の記者の給料の支払元など」と一個人の力のバランスを保つ必要があります。このような考え方は近代国家ではあまりに当然で、ある時に、ある新聞かテレビが「あいつをやっつけよう」と決意し、大々的なキャンペーンを張ったら、社会はスキャンダルとして受け取り、その人は人生を失うでしょう。
私たち社会はそんなために大新聞を持っているわけではありません。毎日新聞と小保方さんでは力の差は歴然としています。また毎日新聞の一連の記事、さらには7月21日の朝刊の記事の問題点は、報道が公平ではないということです。STAP事件の報道をするのはある意味で意味があるのですが、その時には必ず両面から見た報道が必要です。
今回の場合、「掲載を放棄した論文」の「査読過程のデータの処理の仕方」ですから、もともとは公開されるべきものではなく(新聞でも草稿段階で不適切な表現を使ったものをわざと白日の下に晒して、その記事を書いた記者を糾弾するということはなく、あくまで最終的に新聞に掲載されたものだけを問題にするはずです。その点で、今回の記事は個人を誹謗中傷するばかりではなく、ルール違反でもあります)、入手手段もきわめて不透明です。
情報の入手先に関する秘匿はメディアの権利でもありますが、今回のように「特定の情報から特定の個人だけを批判することを続ける」という場合は別でしょう。
また、毎日新聞の1面の上段に4分の1ほどのスペースを取ったということは、「小保方さんを日本社会から抹殺する価値はそれほど大きい」という毎日新聞の意思を示しています。記事は論文の批判に終始していますが、もしその背後に理研の闇などがある場合、それを直接、記事にすべきです。それなら私たちは毎日新聞を支持できます。
今回のことはなぞが多く、ここに疑問点を書きましたので、関係者は「合意を得るために」、毎日新聞の意図(本人たちは自分たちのしたことが正しいという確信があるはずですから、現在までの記事では、小保方さんの欠陥を繰り返し報道し、彼女を社会から葬り去るために膨大な紙面を使うだけの価値があると考えていると受け取られる)を明らかにすべきです。
議論はそれからです。
(平成26年7月23日)
by nakatsukasadiary
| 2014-07-23 23:25
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